ナチュラルワインとびスロと料理のフィーカ

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New!! Patrick Desplats

2018.10.28 Sunday

フランス ロワールの造り手パトリック・デプラの新着です。
全4アイテムとなります。

○Vent y Tourne 2015 / ヴォン・イ・トゥルヌ [赤](ガメイ・ピノ・ドニス、グロロー)

○Caroline 2015 / キャロリーヌ
[白](シュナン・ブラン)

○Fleur Free Run 2015 / フラー・フリーラン
[白](ソーヴィニョン・ブラン、シュナン・ブラン、シャルドネ)

○Diane 2016 / ディアーヌ
[白](全ての葡萄)

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以下インポーター資料をご参考ください。

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○Vent y Tourne 2015 / ヴォン・イ・トゥルヌ [赤](ガメイ・ピノ・ドニス、グロロー)

グリオット(パトリック・デプラとセバスチャン・デルヴュー2人で活動していたドメーヌ。2010年に解散)時代はプティット・ガトリーの名でリリースされていました。
ヴォン・イ・トゥルヌには、「風向きが変わる」といった意味があります。
ナチュラルなワインはフランスでも長い間にわたり異端児として扱われ、時には蔑まれもしました。長く苦しい時期を経て、ようやくフランスや日本はもちろん北欧諸国、アメリカやカナダでも認知されて来ました。この流れがこれからも変わらぬことを願って付けた名前です。
僅かにオレンジがかったやや軽い赤色。グレナデンシロップなどの熟した赤い果実香に土付きの根菜などの大地を感じさせるような香りが混ざり合います。
それらの大きな2つの香りは徐々に溶け込んでいき、複雑さが生まれていきます。果実香が豊かでチャーミングな様子が伺え、口中では瑞々しく軽やかで、香りに似た甘酸っぱいフルーティーさと果実由来の心地良い酸が一体となって広がり、アフターにかけて大地を想わせる風味や僅かに残る繊細なタンニンがあり赤ワインらしい骨格を感じさせます。このワインは豊かな果実味とパトリックらしい素朴なニュアンス、そしてエレガントさを兼ね備えた印象を受けます。
抜栓後約30時間ほどの経過でやや豆のような風味が感じられるかと思います。そのため、先に述べた良さを十分に感じて頂きたいという想いから、数日かけて楽しむというよりは抜栓当日にお楽しみ頂くことをお勧め致します。

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○Caroline 2015 / キャロリーヌ
[白](シュナン・ブラン)

岩盤の上に30cm程の表土に覆われている畑で、水分や栄養素が豊富にあることから、甘口用のブドウの収穫にも向いています。大粒のものは9月頃に収穫し辛口へ、小粒のものは収穫を遅らせ甘口となります。また樹齢が100年を超える為、辛口に仕上げてもふくよかな味わいになる傾向にあります。
ここ近年は膨らみのある果実感が豊富なイメージのあるワインですが、2015年ヴィンテージは入荷当時、果実味や味わい等がやや静かな印象でした。ですが現在はキャロリーヌらしい黄色いプラムなどの果実の風味が前面に感じられるように変化してきています。
ややオレンジがかった黄色。熟した黄色いプラムや杏、黄桃の核に近い部分や仄かに鉄分のようなニュアンスなども感じられます。フレッシュ感のある果実味というよりは落ち着いた印象で深い味わいになってきつつあります。香りに似た果実の風味と酸の相性が良く、その酸は角がなくカーブが円い印象で全体を上手く支えています。
空気に触れ開いていくとともに甘みや風味などの要素も深くなっていき、果実味だけでなく昆布のような旨味やカラメルのようなビターな風味なども現れてきます。
今後の熟成でキャロリーヌらしい印象がより深まっていくことでしょう。

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○Fleur Free Run 2015 / フラー・フリーラン
[白](ソーヴィニョン・ブラン、シュナン・ブラン、シャルドネ)

グリオット時代のソーヴァジョンヌに相当します。
フリーランジュースを使用し約4週間のマセラシオン。
琥珀色のしっかりとした色合い。熟した果実の香りが芳醇で凝縮した様子が香りからも伺えます。シュナンブランやシャルドネ由来の黄桃やプラムのような果実にソーヴィニョン由来のグレープフルーツやオレンジなどの柑橘果実の風味が混ざり合います。比較的長いマセラシオンのため色合いや風味はしっかりとしていますが、タンニンはそれほど強くはありません。豊かな果実の香りにほどよい甘み、飲み込む頃にキュッと締りのある酸が感じられます。その酸はしっかりとした果実味を引き立てており、最後に甘酸っぱいあんずジャムのような風味に変化させ、キレの良い心地よいアフターに感じさせてくれます。時間の経過で紅茶のような色合いへと褐変しますが酸化的なニュアンスはなく、逆に様々な香りが混ざり合い、甘みや果実味など一層味わいに深みが増していきます。

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○Diane 2016 / ディアーヌ
[白](全ての葡萄)

2016年は霜や雹などの影響で壊滅的な被害を受け、大半の葡萄を失い、生き残った葡萄の全てを集め醸造したものがこのディアーヌです。
2016年はこのワインのみの醸造となり総生産量約700本という厳しいものとなりました。色合いから見てもいったい何色のワインなのか?と思うほどで、香りや風味、味わい等驚くほどの深みを感じさせる驚異的なワインと言っても過言ではありません。苦境を乗り越えた葡萄のポテンシャルの高さを感じさせてくれる仕上がりです。
やや赤みがかった琥珀色。熟したプラムや桃、赤いりんごなどの果実香、コンポートやコンフィチュールのような凝縮した香り、飴、カラメルやメープルシロップなどを想わせる甘く芳ばしさを感じさせる香りなど様々な香りが感じられます。甘口ではありませんが、口に含むと生産者達がよく言う葡萄の甘さの記憶そのものといえる甘やかなアタックで、豊かな果実味と香りに似た複雑な風味が広がります。アルコール度数が15.5%でややボディは厚みがありますが、心地よい酸が重たさを感じさせず、コクがあるのにフレッシュさもどこか垣間見せるような口当たりにさせてくれています。アフターにはビターカラメルのような風味などが余韻に長く続き、ゆっくりと時間を過ごせるような落ち着いた雰囲気が残ります。抜栓後2ヶ月半経過した今でもびくともせず、キャロリーヌの甘口のような薬草感なども現れ一層深みが増しており、抜栓後もゆっくりとお使い頂くことが出来ます。

Posted by 坂田 智広