ナチュラルワインとびスロと料理のフィーカ

ONLINE SHOP

New!! La Cave des Nomades

2018.10.17 Wednesday

フランス ルーション バニュルスよりラ・カーヴ・デ・ノマードのニューリリースです!
今回は全6アイテムの入荷です。
.
○Pet Fakir 2017 / ペット・ファキール 2017 [ロゼ微発泡]
(メルロー、シャルドネ、ミュスカ・プティ・グラン)
.
○Decouverte Inattendue 2017 / デュクヴェル・ティナタンドゥ 2017 [白]
(ミュスカ・プティ・グラン、ヴェルメンティーノ)
.
○Vieux Saltimbanque 2017 / ヴュー・サルトンバンク 2017 [白]
(シャルドネ、グルナッシュ・グリ、ヴェルメンティーノ)
.
○Le Grande Machimbombo 2017 /ル・グランド・マシンボンボ 2017 [赤]
(メルロー、グルナッシュ・ノワール、カリニャン、シラー)
.
○Le Pirate qui Chante 2016 / ル・ピラート・キ・シャント 2016 [赤]
(グルナッシュ・ノワール)
.
○Banyuls Rouge La Caravane du Vent 2016 (500ml) / ヴァニュルス・ルージュ・ラ・キャラヴァン・デュ・ヴォン 2016 [赤甘口]

(グルナッシュ・ノワール)

.

以下インポーター資料をご参考ください。
.

(メルロー、シャルドネ、ミュスカ・プティ・グラン)

ほのかにピンクがかった淡いオレンジ色。抜栓時はやや還元的な印象がありますが、空気に触れ開いていくるとル・カノン・ロゼ・プリムールを連想するような桃やバラ、香水のような華やかな香りが立ち昇り、味わいにもそれが反映しているような印象です。ガスはピリピリと繊細で優しく舌先をくすぐり、ほどよい果実の甘みと果実味が広がります。南のワインではありますがパワフルな仕上がりではなく、果実の風味とバランスの良い酸があり、またクリスピーなガスが溌剌とした馴染みやすい喉越しへと導いてくれています。
.

.

(ミュスカ・プティ・グラン、ヴェルメンティーノ)

中程度の黄色。ミュスカ由来のマスカットや白いメロン、パイナップルやマンゴーなどの香り高い果実にヴェルメンティーノ由来の柑橘果実のような爽やかな香りが混ざり合います。引き込まれるような華やかな香りは甘さとボリューム感をを想像させますが、口中ではほどよい甘みと綺麗な酸、果実味が三位一体となって広がり、グレープフルーツの内皮のようなほろ苦さや爽やかな柑橘系の風味が切れの良さを感じさせる瑞々しい飲み心地です。
余韻にはフルーツポンチを想わせるようなフルーティーな香りが長く残ります。
.

.

(シャルドネ、グルナッシュ・グリ、ヴェルメンティーノ)

仄かにオレンジがかったやや濃い黄色。黄桃やプラム、飴のような甘やかな香りにオレンジなどの柑橘系の香りがが混ざります。スッキリとしたデュクヴェル・ティナタンドゥに比べ膨らみがあり柔らかで果実味豊かな印象です。南の地域としては冷涼感のあるタッチで、甘み、酸味、果実味とゆっくりと優しく広がっていき、円のように角がない液体でややボリューム感が感じられ、余韻にはジュラワインのような旨味や円みのある記憶が残ります。
.

.

(メルロー、グルナッシュ・ノワール、カリニャン、シラー)

僅かに紫がかった明るい赤色。完熟感のある赤すぐりや梅のような甘酸っぱい香りで、色合いや香りからもほどよい抽出感や軽やかな仕上がりが想像できます。
アタックのキャッチーな甘みやキュッと締りのある小気味良い酸が若さ溢れる果実感を引き立て、瑞々しく流れるような飲み心地です。自然に沁み込むようなほどよい軽さがありながら、アフターにややビターな風味を感じることで、どことなく落ちついた印象をもたせてくれる仕上がりのワインです。
.

.

(グルナッシュ・ノワール)

ややしっかりとした明るい赤色。やや還元的ですが、口に含むと気になる様子はありません。グレナデンのような熟した赤系果実主体に黒系果実が加わるような香りが、やや控えめに感じられます。口中ではアタックの甘みが馴染みやすさを感じさせ、香りに比べ果実味が多く広がります。果実味を支えるようにほどよい酸が感じられ、ミディアムな口当たりです。入荷時に感じられた骨格の強さやしっかりとした味わいという印象に比べ、果実味やタンニンなどにしなやかさが感じられるようになりました。今後の熟成で一層妖艶さやダシのような旨味が感じられるようになっていくと思います。

.
.
(グルナッシュ・ノワール)

明るい赤色。ドライプルーンなどの凝縮感がある果実の甘さが伝わってくるような香りで、口中にもダイレクトに甘みが広がります。また、甘さだけではなくドライフルーツのような風味に加えタバコやカカオ、ブランデーなどの香りもあり複雑さが感じられますし、凝縮感のある果実とチョコレートが混ざり合うような風味や黒糖など、若いポートとトゥニーポートの中間をイメージするようなスタイルです。2017年7月の試飲会時に抜栓した1年以上経過したものをテイスティングしましたが、色合いがややオレンジがかった様子に変化しつつも味わいになんら大きな変化はなく、時間が経過した今でも充分に楽しむことができます。

.
.
<ラ・カーヴ・デ・ノマード>
ポルトガル出身のホセ・カルバルホが、2014年にバニュリュスで立ち上げた蔵元。
ホセはかつてギターとパーカッションのミュージシャンで、ヨーロッパ中を演奏旅行して一年を過ごしていた。また、2005年にポルトガルでシュタイナー農法を学び、若い時分からビオディナミで野菜を栽培していたこともあり、秋になるとワイナリーの収穫を手伝って生活の足しにしていた。
妻パウリーナとは2010年にバニュルスで収穫した際に知り合い、その後は一緒に演奏の旅を続け、秋になると収穫のために思い出の地であるバニュルスに戻る生活を繰り返していた。そうしているうちに醸造に対しても次第に関心を抱くようになり、ボルドーで栽培から醸造まで実際に経験する機会を得た。
その後、敬愛して止まないアラン・カステックスやブルーノ・デュシェンが住むバニュルスへ戻り、畑を紹介してもらい、新しくできた醸造所「9カーヴ」も使えるようになった。ここまでは順風満帆で、実にラッキーな始まりだったと言えるだろう。
しかし、ワイナリーをスタートさせた後は大変だった。まず、最初に購入できた畑は3haほどで、内訳はグルナッシュ、ムールヴェードルとカリニャン1ha、グルナッシュ・グリとグルナッシュ・ブラン0.5ha、シラー0.2ha、ヴェルメンチーノ0.2ha、マカベオ1.3ha。畑はあちこちに点在しておりテラス状になっているものが多いため、農作業のほぼ全てが手作業になる。ビオディナミに基づいて栽培するが、ストイックな彼は病気対策に粉状の硫黄とビオディナミの調剤だけを用いており、散布を認められているボルドー液は使わない。結果として、痩せた土地で栽培される平均65歳のブドウから収穫されるブドウの収穫量はどんなに多くても10hl/ha未満となる。この栽培面積では生活できないことを悟ったホセは、2015年の夏にクラウドファウンディングで資金を集めることを決断、これが功を奏して更にカリニャン、ミュスカ、シャルドネやメルローが植えられている合計3haの畑を確保することができた。2016年は6338本の生産。依然として少ないことには変わりないが、明るく前向きで実直な彼なら困難を乗り切り、将来はバニュルスを代表する素晴らしい造り手になるだろうと私たちは思っている。
.
醸造:赤白どちらも房まるごと7日から30日ほど醸す期間がある。赤はマセラシオンカルボニックだが、CO2は使わない。
ペティヤンナチュレルを除き、熟成には500Lから小さいものは100L程度の樽を用いる。その期間は半年程度で少し短い感もあるが、テロワールの素晴らしさに加えて徹底してストイックな栽培からのみ得ることのできるブドウのポテンシャルを強く感じるワインとなっている。亜硫酸は全く添加しない。
瓶詰めにあたってはフィルターもかけず、清澄もしない。

Posted by 坂田 智広