New! Yann Durieux
2018.11.14 Wednesday
*以下インポーター資料をご参考ください。
当初は、少ないキュヴェ数からのスタートでしたが、年々畑も拡張し、キュヴェ数を増やしています。またそれぞれが、従来のアペラシオンのヒエラルキーの概念にとらわれず、そのクオリティとヤンのプライドを反映した価格設定となっています。
率直に言って彼のワインたちのポテンシャルは相当な水準に達しているとは思いますが、キュヴェの細分化によってそれぞれの入荷数が限られるという事情もあり、丁寧な販売をするために日本入荷後もじっくりと熟成を待ち、個々のワインのリリースのタイミングを図っております。
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ヤン ドゥリューにとっての1級畑となるレ・プルミエ・ポン・ルージュ。カシスやブラックベリーのような艶やかな風味にキノコや森の下土のような微生物と有機物が織りなす複雑な香りが加わり、素朴でともすれば野暮ったいようでいて、その奥にはぐぐっと惹き込まれるような色っぽさを備えたワイン。ヤン ドゥリューの手がけるワインにはどれも、相反する表情の二面性を内包していると感じることが多いですが、このワインもまさにその典型。自身のドメーヌ発足から3年目ということもあり、近年の磨き上げられた雰囲気とも異なった輪郭の緩さがあるのも興味深いポイントです。
問題は、異才が手がけるこのクラスのワインとなると、その本領や実力を言語化するのが困難であるということ。そんな中、まず一義的に言えるのが、ヤン ドゥリュー自身が、「品質に見合う価格をプライドを持って付けた」ことが確信できるということ。どことなく冷たさを感じさせるクリアでシャープな輪郭とみずみずしくも奥深い果実味、ピュアな酸味や旨味は重層的で、圧倒的な強さはないものの多元的な表情を備えているワイン。「アペラシオンを超えてグランクリュに匹敵するワインだ!」なんて稚拙な表現は、恥ずかしくて使えない別世界な1本です。
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【ヤン ドゥリュー】
ヤン ドゥリューは、名門プリューレ ロックで栽培の仕事を長く続けた後、当初はロックでの仕事を継続しながら自身のドメーヌを立ち上げます。
ロックのグラン クリュで行われる、もしくはそれ以上のレベルの仕事をオート コート ド ニュイを中心としたブルゴーニュ アペラシオンのヒエラルキーにおいては下位に見られがちな区画で実践し、従来の常識を超えるワインを次々と世に出し、一躍時の人になります。
なかでも特徴的なのが、遅い剪定によって植物の生育のリズムを(一般的な栽培に対して)ずらし、低いアルコール度数ながらも植物として生理的には十分と成熟しているというブドウを育てます。
結果、アルコール度数が低いにも関わらず、味わいが複雑で濃密ですらあるという摩訶不思議な風味のワインとなりますが、それこそがヤンの目指す、繊細で純粋なテロワールの表現です。
当然ながら醸造においては人為的な介入や調整は忌避し、瓶詰め時の亜硫酸すら用いないというスタイルは、高額なワイン産地であるブルゴーニュにおいては異端中の異端といえます。
まさにハイリスク・ハイリターンのワイン造り。
その姿は、ボジョレーの鬼才、フィリップ・ジャンボンと重なる、狂気すら感じる生き様です。